この事件は、2020年1月14日に私が部下へパワハラをしたという事実無根の業務改善通知書を渡された事から始まりました。その後、次々と部下3名がデタラメな内容を会社側に訴え、会社側も事実確認すら行う事なく、組織ぐるみで退職勧奨が始まりました。

こうして私は、3ヵ月もの間、悔しさと苦しみ、悲しみが募っていき、ついには、この状況に我慢できなくなり、労働局や弁護士、インターネット等で相談し、管理職ユニオン・関西へ駆け込みました。駆け込んでから、私が、この会社に入社してから退職勧奨を受けるまでの10年の詳細な出来事を長時間にわたり相談しました。この当時の私は、残されている時間も僅かで、このままいくと濡れ衣を着せられたまま、懲戒解雇になる可能性がありました。以上の理由から、管理職ユニオン・関西に救いを求めました。

その後、会社側に3回の団体交渉申し入れと抗議を行いましたが、いずれもコロナを盾に、事実上の団体交渉拒否が続きました。これでは、なかなか交渉が進まない事から、書記長と相談の上で、膨大な書類を作成いただき、3月25日大阪府労働委員会へ救済申し立てを行いました。

ここから、会社と私との闘いが幕開けとなり、2回の団体交渉と3回の労働委員会を行いました。この時の私は、どんな手続きや書類が必要で、どんな形で交渉が進んでいくのか? 初めての事で分からない事ばかりでした。しかし、どんどん交渉が進んでいくにつれ、膨大な書類作成を目にし、私の事でここまで時間を割き、して下さる事に感服し申し訳ない気持で一杯になりました。その後、会社が事実としていた私がパワハラしていたという事象は、書記長により見事にひっくり返り、濡れ衣が晴れました。今度は逆に、私が営業部長、総務部長、総務マネージャ、そして元部下3名からパワハラを受けている事を訴えました。その結果、元部下3名に部下として問題があった事を認めさせ、幹部3名は懲戒処分が下されました。

あとは、私の社内での名誉回復をどうしていくか? を最後まで闘いました。会社へは、全社員に事実内容の公表すること、会社側が正式に謝罪をする事を求め続けました。ついに、12月2日、会社側に要求した元部下の事実内容、懲戒処分3名の実名公表、謝罪をする事が決定し、労働委員会の申し立てを取り下げ和解し、12月4日、社内公表されました。こうして、やっとこの闘いが終結しました。

完全勝利の結果が出て、今は、本当に嬉しく思うとともに、普通に過ごせる事がどれだけ良い事かを痛感しています。

この1年近くにわたる労働紛争を通して、私が書記長から学んだ事は、人間の本当の強さと優しさでした。闘いの中で、私自身、不当な事は不当だと言える勇気と力強く生き抜く事、どんなに悪い事をした相手でも追い込み過ぎない事を学びました。

そして何よりも、こうした労働問題で書記長や組合員の皆さんに出会えた事が感謝です。今後、自身の経験を、困っている人を見つけたら、迷わず、管理職ユニオン・関西を紹介し、一緒に闘う仲間を1人でも多く増やしていきたいと思います。

※従業員100名程度で、有線テレビ放送事業関連の会社での女性管理職が受けた事例です。